輸出用マグロ水煮缶詰のヒスタミン含量を調べた.3定量方法で測定した値に大きな差がみられ,AOACの蛍光分析による測定値は全体に低い値を,河端法では一般に高い値を示した.
蛍光分析法で測定した場合,その値は充分に低く,FDAの安全基準(1mg%)に抵触するものではなかった.
アニオン交換樹脂(Bio-Red AG1×8)さらにカチオン交換樹脂(Amberlite C G50×8)でメタノールによる魚肉中のヒスタミン抽出液を処理して,ヒスタミン以外のジアゾ反応陽性のアミン様の妨害物質を除去し,蛍光分析及びジアゾ発色でヒスタミン含量を測定し,比較したが,これらの値は充分には一致しなかった.
- 著者
- 竹内 伊公子、長田 博光
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,79-84(1983)