1.ラミコンカップ詰食品の保存性-V
みかんシラップ漬について

みかんシラップ漬をラミコンカップに詰め,冷蔵,25℃80%RH暗所、明所(600〜700Lx・8hr/day)で12カ月間保存し,色調,カロチノイド色素,ビタミンC,風味の経時変化を調べ保存性を評価した.

比較容器として,ポリプロピレンカップ,ナイロン/ポリプロピレンパウチ,アルミ箔積層レトルトパウチ(RP-F)を用いた.

その結果,ラミコンカップ詰は気体透過性のないRP-F詰に比べ,25℃80%RH暗所,明所保存12カ月で若干色調等に差はあるものの,良い保存性を示し,6カ月程度の保存は可能であることを認めた.

冷蔵では,12カ月保存でも差はなかった.

一方,ナイロン/ポリプロピレンパウチ,ポリプロレンカップ詰では、冷蔵でも品質の低下が著しく,特に風味の低下が目立った.

明所保存となると,退色等も促進され,品質保持はごく短期に限られてくる.

著者
西郷 英昭、久延 義弘、鈴木 保治
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,16,1-8(1985)