モモ果実の発育及び追熟中における成分変化及び各種果実の果皮と果肉間組織を調べた.
果肉硬度,アルコール不溶性固形物,塩酸可溶性ペクチン及びヘキサメタリン酸可溶性ペクチンは果実の成熟に伴って減少した.モモでは迫熱中,小形細胞による柔組織の扁平化がおこり,これと大形細胞による柔組織,つまり果肉との間に離層が現れることによって,湯剥きが可能になることがわかった.この現象は追熟4日後に顕著に現われ,成分変化と剥皮性との間には明らかに相関があると思われた.
- 著者
- 大熊 昌子、田村 文代、高橋 英史、森 大蔵
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,19,23-36(1992)