特異な作用機構でⅠ型アレルギー抑制効果を示すイチジク葉成分を利用した機能性食品・素材の開発を目指し、有効成分の同定および利用方法の確立を試みている。
昨年度は、生体での抑制効果確認及び有効成分の同定に取り組んだ。マウスにイチジク茶を投与することで、著しい体重減少等の異常を伴わず、アレルギーによる腫脹症状の緩和が確認されたことから、ヒトでも健康を害さず、アレルギー緩和効果が得られると期待された。茶液分画作業と抑制強度の異なる茶液の分析から、ジフルクトース無水物(DFA)、イソマルトース、フマル酸を有効成分候補として見出した。
これらの化合物は、単独および複合でも抑制効果を示すが、茶液の効果には及ばず、未同定成分の存在が示唆された。また、高濃度のDFAとイソマルトースでは、茶液と同等のIgE抗体解離作用が確認された。今後は、混合物での解離作用を評価する。