マグロ水煮缶詰のストラバイト析出防止に対する防止薬剤の効果について調べた結果フィチン酸が最も効果があり、0.1%の添加で十分ストラバイトの析出を防止できることを認めた。
一方ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン醸ナトリウムは0.1%の添加では効果がなかったが、0.5%の添加で効果があった。
しかしキレート安定度定数の最も高いEDTAは低濃度の添加では効果があったにもかかわらず高濃度の添加では効果がなかった。
またポリペプトン、イノシン酸+グアニル酸は0.5%添加においても防止効果は認められなかった。イノシン酸+グアニル酸を添加すると必ずストラバイトが析出し、しかも大きな結晶になることを認めた。
マグロ水煮缶詰においてはストラバイトはpH6.1以下では析出せず、pH 6.3〜6.5において最も析出しやすく、pHが高いほどストラバイトの結晶が大きいことを認めた。
- 著者
- 長田 博光、後藤 郁子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,118-123(1969)