DEAE-Celluloseを用いてシイタケ、マツタケ、マッシュルームの核酸分解酵素系を分離精製した。シイタケではRNase活性を持つピーク3個(A-1,A-2,A-3)、マツタケ1個(A)、マッシュルーム1個(A)、PDase活性を持つピークはシイタケで2個(B-1,B-2),マツタケ1個(B)、マッシュルーム1個(B)、PMase活性を持つピークはシイタケ1個(C)、マツタケ1個(C)、マッシュルーム2個(C-1,C-2)を認めた。
最適温度では、一般にRNase活性が比較的高く、PDase,PMaseの順に低くなっている。
最適pHではRNaseがシイタケで酸性側に認められた他は、アルカリ性側、またPDaseは中性または弱アルカリ性側に認められ、PMaseは3者共にPh4.0〜5.0の間に最適pHを持っていた。
このようなことより、著者らが前報で発表したようなきのこ類の加熱処理工程における5′-ヌクレオチドの消長がきのこの種類によって異なることや、煮出しにおいてシイタケなどで呈味成分の5′-GMPなどが蓄積することを説明できると考えられる。
- 著者
- 毛利 威徳、橋田 度、志賀 岩雄、寺本 四郎
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,196-209(1969)